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コラム

デザイナー・アーティストとして活躍する篠原ともえ
「東京のおさんぽは、インスピレーションと学びがいっぱい」

気軽にお出かけできなくなった近頃。いつもと違った視点で東京を巡れば、新しい発見がいっぱいあるかも? そんなさんぽの魅力に迫るため、さんぽ好きの著名人が取り入れているとっておきの“東京散策術”を教えてもらうインタビュー企画「東京街歩きコラム」がスタート。

第1回目となる今回は、デザイナー・アーティストとして活躍し、オンラインツアーを開催する青梅市の親善大使も務める篠原ともえさんにお話を伺います。


あらゆるデザインは東京の豊かな自然から着想

「私を育ててくれた故郷でもあり、インスピレーションの源でもあります。どんな時も一緒に人生を歩んでくれる“友達”のような存在ですね」。

東京についてそんな風に語ってくれる篠原さんは、東京の西側、多摩エリアに位置する青梅市の出身。都心とは違って自然あふれるこの土地こそが、原色カラーの服やアクセサリーを多く身にまとい 、1990年代後半にブームを巻き起こした“シノラーファッション”の起点になったと言います。


「青梅市内には渓谷があるので、夏は川遊びやBBQをしたり、冬は雪景色に変わったりと、東京の中でも自然がとても豊か。そういう自然の中で出会った緑という色の力強さや、川の水面に反射したキラキラした美しさが、実は“シノラーファッション”の原点にもなっているんです。カラフルな色合いやはじけるような元気は自然の中からアイデアやインスピレーションを受けていました」

幼少期から自然に触れて育った篠原さん。地元の青梅市から都心に出るのも、ちょっとした旅気分でドキドキ・ワクワクがいっぱいだったと振り返ります。




「小・中学生の時の憧れは、原宿・渋谷でした。とくに竹下通りなんかを歩いていると、いろいろなファッションアイテムが並んでいて、それを目にした瞬間から自分の世界がパッと開けたような気がします。この街で見たものから着想を受けて、生地から服を仕立て、縄跳びでブレスレットを作ったりして。懐かしいですね。

それに今年5月、夫とデザイン会社を立ち上げたんですが、その拠点となるオフィスも渋谷区なんです。何かとご縁を感じていますし、幾つもの夢が叶ってきた街なんですよね。だから、いつまでたっても愛おしいし、この先いくつ歳を重ねても懐かしいなぁって思う、かけがえのない場所です」



東京さんぽの途中、自然の表情一つ一つから インスピレーションを享受します

現在では、イラストレーター、ファッションデザイナー、テキスタイルデザイナーといったクリエイターとしても活躍する篠原さん。そのものづくりのヒントは、東京でのさんぽにあるよう。

「最近のおさんぽコースは、オフィスからも近い代々木公園。都心の公園ながら自然がいっぱいで、四季折々の表情を見せてくれるのがとてもステキなんです。

今年は雨が多かったですが、そんな雨模様もすごくキレイでした。木の下で雨粒をぼんやりと眺めていたら、この美しさを衣装のデザインで表現できないかな、なんて思ったりして」



雨の雫のきらめき、季節の花の香り、空にかかる虹のカラー。おさんぽの途中で見つけた自然の表情一つひとつが、ものづくりと向き合う篠原さんのインスピレーションの源になっている様子です。

「おさんぽでのマストは、緑に触れること。実際に手で触ると、元気がもらえるような気がするし、その触り心地もデザインに生きてくると思うんです。

太陽のあたたかさ、雨のにおいや音、頬をかすめる風の感触もそう。五感を研ぎ澄ませておさんぽすると、季節の移ろいや自然の美しさに気づけます。おさんぽで自然に触れて、デザインの想像を膨らませるのがとても心地いいんです」


東京の街の中にも、新しい気づきがいっぱいあるとも。

「昨年、フランスやポルトガル、スペインを巡っていろいろな景色に出会いましたが、東京にもここにしかない美しさがあると思うんです。

街を歩けば、都心にも緑豊かな公園に出会えるし、アートやデザインが街中に点在していることにも、昔懐かしい下町風情が残っていることにも気づけます。それにふらりと入れる図書館や美術館もたくさんあるから、学びの場としても最良の地だなとも思います。

知的好奇心を刺激し、想像力をかき立てられるこんな素敵な都市、ほかにはないですよ。新しい発見にいくつも出会える東京、さんぽしないなんてもったいないですよね」


大好きな東京にものづくりで恩返ししたいです

これまでに鳥取や福井などの地方創生に携わってきた篠原さんは、東京都水道局ペットボトル『東京水』のデザインのアドバイザーや青梅市親善大使も務めています。今の自分を作りあげてくれた出身地だからこそ、東京をより魅力的な街にしていきたいという想いがあふれます。

「公共のものをデザインするのがずっと夢でした。だから青梅市親善大使として“ゆめうめちゃん”というキャラクターをデザインして、それが幼少期によく遊んだ公園のマンホールになった時、ものすごく嬉しくて…。

本当にこの職業に飛び込んで良かったと思ったんです。たくさんの夢が叶い、私そのものを作り、育ててくれた東京に、いつか恩返しできたらと。例えば制服作りやロゴデザイン、サインボードなど挑戦できたらなと憧れを持ってます。デザインやアイデアで力になれることがあれば、どんなもの・ことでもお渡ししたいんです」



篠原さんが愛してやまない東京。そんな街でよりさんぽを楽しむポイントを聞けば、「いつもの見方をちょっと変えること」との答えが。

「通い慣れた道やいつもの風景。それでも、ちょっと見方を変えて歩いてみると、いくらでもスペシャルなおさんぽになると思います。 自然に着目して想像力を刺激するのもいいですが、それこそ服を少し変えてみるだけでも新鮮な気持ちになれますよ。

街の景観に合うように色味を添えてみたり、季節に合わせたカラーを取り入れてみたり。時に遊びココロを加えながら、自分の好きな服で好きな街を歩く。そうすると幸せな気持ちが一段と膨らむし、もっと東京という街を好きになれると思いますよ」










さんぽのお供は、オリジナルエコバッグ

「おさんぽの相棒は、黒い生地に会社のロゴをプリントしたオリジナルのエコバッグです。お財布とスマホを入れて、ふらっとおさんぽへ。ほどよい大きさなので、おさんぽの途中で買った雑貨やドリンクなんかを入れるのにぴったりなんです。

このエコバッグは、ラテン語で“学ぶ”という意味を持つ社名『STUDEO』をプリントした特別なもの。非売品ではありますが、愛情をたっぷり込めて作ったアイテムです。そんな愛着のあるバッグとおさんぽに出ると、リラックスできるし心強い。好きなものと一緒におさんぽに出かけると、何より幸せな気持ちになれますね」







篠原ともえ(しのはらともえ)/デザイナー・アーティスト
1979年東京都青梅市出身。1995年に歌手デビュー。
歌手やナレーター、俳優の活動を通じ、映画やドラマ、舞台、CMなどで幅広く活躍。松任谷由実コンサートツアー、嵐ドームコンサートといったアーティストのステージ・ジャケット・番組衣装など製作も行い、衣装デザイナーとして創作活動も行う。
東京都青梅市公式キャラクターや鳥取県の星空キャンペーン公式ロゴイラストも手がけ、地方創生の地域ブランディングにも積極的に参画する。2020年、夫でアートディレクターの池澤樹とクリエイティブスタジオ「STUDEO」を設立。



●公式ウェブサイト:www.tomoeshinohara.net

●公式インスタグラム:@tomoe_shinohara

撮影/井上佐由紀 ヘアメイク/奥平正芳 衣装/篠原ともえ 取材・文/船橋麻貴



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