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コラム

料理家の道を極める速水もこみち
「東京の裏道でおいしいごはんに出会う、不意打ちの出会いが魅力的」

東京の街に魅せられたさんぽ好きの著名人に、とっておきの散策術を伺うインタビュー企画「東京街歩きコラム」。

第3回目は、俳優業の傍らプロ顔負けの料理の腕前を披露する速水もこみちさんが登場。大切な家族と一緒にさんぽすることの魅力や、さんぽに出かけた先でおいしいものを味わう醍醐味をお聞きしました。


自分の中のスイッチが入る街、東京

「地方は自然が豊富でリフレッシュできる場所なのに対し、僕にとって東京はスイッチが入る街なのかもしれませんね」。

東京についてそう語る速水さんは、旬なアパレルショップや飲食店が揃い、常に時代の先端をゆく街、渋谷区の出身。子供の頃の遊び方も実に都会的のようです。

「渋谷・原宿あたりのゲームセンターで遊んだり、自転車で東京タワーを目指してみたり。遊びも当時流行っていたミニ四駆やカードゲームが主流で、森で木登りとかしたことないんですよ。10代後半になっても遊ぶエリアは、渋谷、目黒、白金、六本木、五反田、広尾でした。なんていうか…、思い返すと都会っ子ですね(笑)」



東京にずっと親しんできたからこそ、地方への憧れもあるそう。

「田舎にもすごく憧れますね。自然が豊かな場所はオフになれるし、料理が好きなので野菜を育てる畑の土に触れられる生活もいいなって。

でも東京から離れたいと思ったことはないですね。多才な人が集まる、多様性に富んだステキな街だと感じていますし。生まれてからずっと遊びも仕事も東京が中心だったので、地方から帰ってくると自然とスイッチが入るというか。そんなところもけっこう気に入っています」




家族との何気ないさんぽ時間が至福のひととき

さんぽの需要が増えたコロナ禍以前より、日常的にさんぽをしていたという速水さん。20代の頃は、さんぽがてらに出かけた公園でドラマや映画のセリフ覚えをするのがお決まりのコースだったという。


「家だとテレビを見たり、ゲームをしたりと遊んじゃうんですよ。だから自分を追い込むために、台本片手に公園まで行ってました。外の方が集中力が増すので、雨が降っても雪が積もっても出かけてたくらいです。

特に思い出深いのは、大河ドラマで武将を演じていたときですね。槍の名人の役だったので、ホームセンターで購入した棒を持って、公園で練習していたんです。そうしたらお巡りさんに声をかけられて…。まぁ普通に考えたら心配ですよね(苦笑)。それ以降、公園で演技の練習をすることから遠のいてしまいました(笑)」


その“公園事件”から数年経った今、ひとりでのさんぽだけでなく、家族を伴うスタイルのさんぽも取り入れていると速水さん。

「今、家にワンちゃんたちがたくさんいるので、公園まで一緒にいってさんぽしています。高齢なワンちゃんもいるので、専用のカートに乗せて広場まで連れて行くんですけど、そのうちのひとりはボールが大好きで走り回っています。

うちの子、ボール投げるとパスで返してくれるんですよ。賢いでしょ(笑)? 一緒にいると時間があっという間で、2時間くらいさんぽしちゃってるときもありますね。こうしたなんてことない時間こそ、豊かで贅沢なものだと実感しています」


友人やスタッフと一緒にランニングしたり、はたまた仕事のことを考えて頭の中を整理しながらひとりでさんぽしたり。186cmと高身長がゆえ、姿勢を意識する時間にもなっているのだとか。

「さんぽをするときは、背筋を伸ばし、姿勢を整えるようにしています。そうすると呼吸まで整うような気がするし、やっぱり気持ちがいいですね」






お手製サンドイッチを持ってピクニックさんぽへ

小学生のときから料理を始め、今ではプロ顔負けの腕前を持つ速水さん。食に精通するからこそ、さんぽ途中に偶然出会ったおいしいごはんが喜びに直結するそう。

「ちょっと裏道に入ってみると、年季の入ったお店に不意に出くわしたりします。それが都市部でも結構な頻度であるし、味のあるお店を見つけるとテンションが上がりますね。

僕が入りたくなるのは、生き生きと楽しそうに働いている方がいるお店。そういうお店はたいていおいしいんですよ。この間、さんぽの合間に偶然見つけたお寿司屋さんやラーメン屋さんに入ったんですけど、素晴らしくおいしかったです。そうした偶然の出会いがあるのも、さんぽの魅力だと思います」




料理好きの速水さんなら、お手製のランチを持ってのピクニックさんぽもありなのでは?

「う〜ん、もし作るならサンドイッチですかね。ドラマなどの撮影が早いときなんかは、現場近くでパンやハム、チーズを買ってサンドイッチを作って食べていたので。どんな場面でも自分で作っちゃうのは僕にとっては結構普通なんですよね。

だけどここ最近は、テイクアウトを行なっているお店も充実しているので、さんぽコース途中のお店でメニューをテイクアウトしてピクニックするのもいいかも!」


料理の話ともなると、より真剣な眼差しを向けてくれる速水さん。もし、東京のオンラインツアーに参加するとしたら?

「自粛期間中、家での時間が長かったので、自然を見るだけでも癒されそうですね。東京にも自然が豊富な場所がたくさんあるので、川や森を映像で配信してくれるだけでもリフレッシュできそうでいいかも。

あとは市場も気になります。競りや業者さんが買い付ける様子など、普段なかなか入り込めないところをのぞけたら楽しそうですね」



最後にさんぽの楽しみ方を熟知している速水さんに、東京さんぽをもっと楽しむ方法を聞くと、「目にするひとつひとつから刺激を受けることが大切」と返してくれました。

「新しいお店ができていたり、建物が立っていたりと、日々変わって行く東京の景色を見逃さずにチェックしてもらいたいですね。

僕もそうですが、今ってスマホばかり見る時代。それではもったいない。東京のさんぽでは見るものがいっぱいありますから。だからさんぽの間はスマホから距離を置いて、上を向いて歩いていろんな景色から刺激を受けるのも良いかもしれませんね」


さんぽのお供は、ライト

「スニーカーやアメコミのフィギュアなど収集癖がありまして…。ライトもそのひとつで、結構な数を持ってます。

ワンちゃんたちと一緒に夜もさんぽすることが多いので、カートにライトを取り付けてみたりしてます。早く点滅したり、ゆっくり光を放ったりと、その様子がなんともかっこいいんですよね。

まぁ、東京の街は明るくてライトなんていらないくらいなんですけど(笑)。あ、でも公園のちょっと暗いところで、ワンちゃんの足元をちゃんと照らしてあげたりしてますよ」




速水もこみち(はやみもこみち)/俳優、タレント
1984年東京都渋谷区出身。
2002年に俳優デビュー後、2005年のドラマ『ごくせん』(日本テレビ系)でブレイク。
幼少期からの趣味・特技の料理を生かし、朝の情報番組のコーナーでは長く、その腕前を披露。レシピ本はフランスのグルマン世界料理本大賞の日本料理部門でグランプリを受賞。_
自身のキッチンブランドをプロデュースし、公式Youtubeチャンネル「M’s TABLE by Mocomichi Hayami」では料理を中心の動画を配信するなど多方面に活動。
また、初めて監修した2021年おせち料理が好評発売中。

メイク/朝岡美妃 スタリング/冬一文字 撮影/嶋崎征弘 取材・文/船橋麻貴



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